不動産投資に失敗して大きな借金を作ってしまい、ローンを返済することができずに個人再生を含めた債務整理手続きで借金を整理する方は少なくないです。
不動産投資に失敗してしまった場合の借金は個人再生で減額することができるので、色々な事情があって住宅ローンなどを返済することができなくなってしまった場合には、個人再生を利用して借金を整理するというのは一つの選択肢になります。
近年は年金がもらえるのかどうか不安になってきている方が多くなってきているということもあり、自分の老後に少しでも収入のあてを増やすために不動産投資に乗り出す方も少なくないです。
ただ不動産投資は簡単なものではないので、自分の予想に反してアパートやマンションに人が入らなかったり、投資用マンションが値下がりしてしまったりして失敗してしまうことも珍しくないです。
そこでここでは不動産投資に失敗してしまった場合の対策方法と、個人再生を利用するメリットとデメリットについてわかりやすく解説しようと思います。
不動産投資で個人再生を利用するメリット
個人再生は自己破産手続きの次に借金減額幅が大きい債務整理方法なので、不動産投資のような金額が大きいローンを減額する場合には十分に利用候補になる手続き方法だと思います。
では不動産投資による借金を個人再生で減額する場合に、借金の減額幅が大きいということ以外にどのようなメリットがあるのでしょうか?
不動産投資で個人再生を利用するメリット
- 財産を持つことができる
- ローンを払っている自宅を残せる
- 投資による借金でも整理できる
財産を持つことができる
個人再生は自己破産のように持ち家や自動車などの高額資産を売却しないといけないということはなく、財産を残すことができます。
多額の財産を持っていると個人再生での借金の減額幅には影響してしまいますが、それでも自己破産のように資産が強制的に没収されてしまうというようなことはなく、きちんと自分でどうするかという選択肢があります。
不動産投資で失敗して自己破産すると、自動車などの移動手段が失われてしまい住んでいる地域によっては生活に影響が出る可能性があります。
そういった意味では自動車などの資産を持つことができる個人再生は十分にメリットのある債務整理方法だと思います。
ローンを払っている自宅を残せる
不動産投資でローンを払いながら、自宅のローンも払っている方は多いと思います。当初は不動産投資で得た家賃収入を自分の自宅の住宅ローン返済に充てようと思っていた方もいるのではないかと思います。
ただ不動産投資によるローン返済が厳しくなると、自宅のローン返済も厳しくなるので、家を残すために個人再生を利用するという方もいると思います。
しかし自己破産の場合だと本来は残したい住宅ローンを払っている持ち家も整理対象になってしまうので、不動産投資によるローンの支払いもは免除されますが、一方で自宅は失うことになります。
ただ個人再生には住宅ローン特則という制度があり、この制度を利用すれば住宅ローンを払っている持ち家をそのまま残しながら他の借金を減額することができるので、持ち家を残しながら不動産投資の借金を整理することができます。
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個人再生の住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは
個人再生は住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することによって、持ち家を手放さずに債務整理することができます。住宅ローンを払っている自宅を残したまま債務整理したいと思っているなら利用尾を検討してはどうでしょうか。
投資による借金でも整理できる
不動産投資による借金は自己責任による借金なので、こういった理由で借金整理をする場合だと、自己破産では免責不許可事由に該当してしまい、状況によっては裁判所から免責を得ることができずに、借金がそのまま残る可能性があります。
そのため不動産投資の失敗による借金だと、自己破産することができずに個人再生が最強の債務整理になる可能性があります。
自己破産は借金返済の義務がなくなるという強力な債務整理手続きのため、投資やギャンブル、浪費などの借金理由の場合は利用できない可能性があるのです。
しかし個人再生は自己破産のように借金理由が問われないため、不動産投資による借金でも整理することができます。
自己破産手続きに失敗した方が個人再生を利用するというのは普通にあり得ることです。
不動産投資で個人再生を利用するデメリット
不動産投資による失敗を個人再生で減額するメリットは上記のようにいくつもありますが、逆にデメリットもいくつかあります。
個人再生そのものに関するデメリットはこちらを参照してもらって、ここでは不動産投資の失敗を個人再生する場合に関係が深いデメリットにについて特に詳しく解説しようと思います。
不動産投資で個人再生を利用するデメリット
- 借金が全額免除されるわけではない
- 借金額が5000万円を超えると利用できない
借金が全額免除されるわけではない
個人再生は自己破産と違って借金が全額免除されるわけではないので、個人再生後には残った借金を返済していく必要があります。そのため無職の方は利用が難しいというデメリットがあります。
ただ不動産投資している方の場合は無職の方はそこまで多くはないと思います。仮に無職の場合には自己破産手続きを利用したほうがいいです。
しかし個人再生自体は借金の減額幅は十分に大きく、借金額によっては最大で借金を10分の1まで減額することができます。つまり不動産投資で4000万円の借金があったとしたら400万円程度まで減額することができるということになります。もちろんこれはあくまでも概算で、残す資産によって減額幅は変わってきます。
このように個人再生は借金が全額免除されることはないですが、減額幅は非常に大きいので、仕事があるなら数千万円ある不動産投資の失敗による借金も個人再生によって十分に完済することができると思います。
借金額が5000万円を超えると利用できない
個人再生では借金額が5000万円を超えるようなケースだと利用することができないというデメリットがあります。
不動産投資をしていると状況によってはこれくらいの借金を超えてしまっている方もいるかもしれないですが、住宅ローン特則を利用すれば自宅の住宅ローンは除外されますし、事前に任意売却などで投資用不動産を売却しておけばその分だけ借金額も減るので、複数の物件を所持してなければ簡単に5000万円を超えることはないと思います。
まあ、仮に5000万円を超えてしまっているような状況なら自己破産を利用してしまった方がいいのではと思います。さすがに5000万円を超える借金は大きすぎるので、もし個人再生ができたとしても返済にはかなり苦労すると思います。
不動産投資のローンは住宅ローン特則に含まれる?
不動産投資の失敗で個人再生を利用する場合に、持ち家の住宅ローンもあるので、持ち家を残すために住宅ローン特則を利用して家を残したいと思う方は多いです。
そこで住宅ローン特則を利用すると、投資用マンションやアパートの住宅ローンも特則に含まれてしまうのではないかという懸念を感じるのではないかと思います。
住宅ローン特則で持ち家の住宅ローンがそのままになるのは良いけど、投資用マンションやアパートのローンがそのままになってしまっては意味がないです。
結論を言ってしまうと、自分が住んでない投資マンションやアパートなどのローンは住宅ローン特則の対象にはならないので、不動産投資の失敗で住宅ローン特則を利用したとしても、しっかりと投資用マンションやアパートのローンを整理することができます。
住宅ローン特則を利用すれば、持ち家をそのまま残しながら不動産投資で失敗した借金だけを整理することができます。
個人再生前にマンションの名義変更は可能?
個人再生は住宅ローン特則を利用すれば自宅の住宅ローンはそのまま残すことができますが、それ以外の投資用物件のローンも含めて全ての借金が債務整理対象になります。
そのため複数の投資物件の中でローンの価値以上の物件があったり、他の物件よりも利回りが良いので残したい物件もあったりするケースも存在します。
そういった残したい物件について、個人再生前に家族や親族の名義に変更して個人再生の対象から外することができるのか考える方もいます。
結論を言ってしまうとこうしたことは資産隠しになってしまい、手続に支障が出ることになるので、状況によっては制裁が科せられる可能性があります。個人再生は裁判所で手続する債務整理方法なので、裁判所に嘘の申告をすることは非常にマズイことになります。
仮にすでに名義変更してしまったというような場合には、早めに個人再生手続きをしてくれている弁護士に相談して手続きをしてもらうといいと思います。
まとめ
不動産投資による借金は他の借金と比べて金額が大きくなりがちなので、個人再生のような借金減額幅がの大きい手続き方法とは相性が良いです。
特に不動産投資のような投資が借金理由の場合だと自己破産できない可能性もあるので、さらに個人再生の重要性が増す借金事例だと思います。
ただ個人再生は非常に手続きが複雑な債務整理方法なので、弁護士などの専門家に手続きを依頼しないと手続きは難しいと思います。
そのため不動産投資による失敗で個人再生を検討しているなら、まずは個人再生に対応している弁護士事務所の無料相談を利用するところから始めるといいです。
当サイトでは個人再生に強くて無料相談を行っている弁護士事務所をいくつかピックアップしているので、まずは無料相談を利用して個人再生に関する詳しい話を聞いてみてはどうでしょうか。