クレジットカードにはキャッシング機能とショッピングローン機能があり、どちらも非常に便利なので、借金を抱えている人の多くは、どちらの機能も利用して、キャッシングとショッピングローンによる利用限度額まで借りてしまって、個人再生などの債務整理を検討するケースが多いです。
結論を言うと、クレジットカードのキャッシングやショッピングローンによる借金は個人再生することができます。個人再生を利用することによって、返済負担は大きく軽減すると思ってもらっていいです。
借金問題を抱えている人の多くは、クレジットカードによる借金を抱えているケースが多いので、クレジットカードを個人再生する場合の方法と、どのような影響があるのかをしっかりと抑えておくといいです。
クレジットカードによる借金は、キャッシングやショッピングローンという便利な機能があるということだけでなく、リボ払いという機能がさらに借金問題を深刻化させています。
クレジットカードのリボ払いで個人再生する人は多い
クレジットカードのリボ払いによって借金が払えない状況になってしまって、個人再生する人は結構多いです。ではそもそもリボ払いとはどのような仕組みなのでしょうか?
リボ払いは毎月の支払額が一定になる仕組み
リボ払いはクレジットカードの支払い方の一つで、利用金額や回数に関係になく、毎月の返済額が一定になる支払い方法をリボ払いといいです。つまり利用金額が大きくなっても毎月の返済額は決められた金額だけということです。
リボ払いで支払いをすれば、毎月の返済額が上がらないので大きなだと思う方もいると思いますが、毎月の返済額が一定ということは、それだけ返済期間が長くなり、返済期間が長くなれば手数料も増えてしまうということになります。
さらに毎月の返済額が一定だと、ローンがどんどん増えているという実感が湧かずに、いつの間にはローン額がとんでもないことになっており、手数料の利息で元本が全く減らずに借金増えていってしまっているという状況にもなりかねないです。
リボ払いで残ったローンを返済するには、毎月の返済額を増やすか、一括でローンを返済するかという方法を検討することになります。
ただローンの支払いが困難になってしまっているというような状況だと、個人再生などの債務整理方法を検討する必要があります。
個人再生でのクレジットカードに関するメリット
クレジットカードのキャッシングやショッピングローンに関する借金は個人再生によって返済負担を軽くすることができますが、個人再生を利用することによってどのようなメリットがあるのでしょうか?
クレジットカードの個人再生に関係するメリットは大きく分けると2つあると思います。
ショッピングローンなど浪費による借金でも整理できる
キャッシングに関しては生活費に困ってしまって利用するというケースもあると思いますが、ショッピングローンに関しては浪費のために利用してしまい、払いきれなくなってしまったというケースが結構多いです。
自己破産の場合は浪費が理由の借金の場合は免責不許可事由に該当してしまい利用できない場合があります。
しかし個人再生は借金理由が問われない債務整理方法なので、浪費が借金理由だったとしても利用することができます。
つまり借金理由が浪費の場合には自己破産することができない可能性があるので、個人再生が一番減額は場が大きい債務整理方法になる可能性もあるということです。
元本から大幅に借金を減らすことができる
個人再生は借金を元本からがっつりと減額することができる債務整理方法で、借金額によっては最大で借金が10分の1まで減らすことができます。これだけの減額幅があれば、返済負担もかなり軽くなります。
借金理由が問われない債務整理方法として任意整理がありますが、任意整理の場合は借金の利息が免除されたり、返済期間を長くしてもらうなどの方法が可能なだけで、借金を元本から減らすことは難しいです。
利息が免除されたとしても、元本がかなりの金額になっていると、返済が困難な場合も多いので、個人再生のように元本から借金をしっかりと減額できるような債務整理方法はメリットが大きいです。
個人再生でのクレジットカードに関するデメリット
個人再生でクレジットカードの借金を整理すると、借金理由を問われずに、元本からがっつりと借金を減額することができるというメリットがありますが、このような都合の良い債務整理方法が何のデメリットもなく利用できるわけはないです。
そこで下記に個人再生でクレジットカードを債務整理する場合のデメリットについて、2つのクレジットカードに直接関連するデメリットをまとめました。
クレジットカードが利用できなくなる
個人再生に限ったことではなく、任意整理や自己破産でも債務整理手続きをするとクレジットカードは利用できなくなります。
クレジットカードを個人再生すると、カード会社が入会している信用情報機関のデータベースのブラックリストに登録されてしまい、クレジットカードが数年間利用できなくなってしまいます。
個人再生をするということは借金返済できなくて借金返済の一部を免除してもらったということなので、支払い事故としてデータベースで共有されてしまうのは無理のない話です。
信用情報機関のブラックリストに登録されると債務整理したことを他のカード会社や金融会社にも知られることになるので、新しく他の会社のクレジットカードも作ることはできないです。
そのためブラックリストに登録されている数年間はクレジットカードが利用できないと思ったほうがいいです。
個人再生の対象外のクレジットカードも更新されない
個人再生で借金減額してもらったらクレジットカードが利用できなくなるのは当然だと理解できると思いますが、「個人再生の対象になってないカードはそのまま利用できるのでは?」と思っている方もいるのではないでしょうか?
確かに個人再生の対象になってないならカード会社に損害を与えてないのでそのまま利用できそうな感じがしますが、クレジットカードは定期的にカード更新があります。
そのカード更新の際に与信審査を行うので、信用情報機関から債務整理したことを知られてしまい、カードが更新できず解約ということになります。
個人再生の対象になってないクレジットカードは、カード更新まで個人再生したことを知られない可能性が高いですが、カード更新の際にはどうしても知られてしまうので、それまでは利用できますが、カード更新される可能性はないと思ったほうがいいです。
クレジットカードを個人再生する場合の注意点
クレジットカードを個人再生はする場合には、他の借金とは違う部分があるので、いくつか注意点を知っておくといいです。
何もしならずにクレジットカードを個人再生すると後悔する可能性があるので、下記のような注意点はしっかりと対策してから個人再生しましょう。
クレジットカードを個人再生する場合の注意点
- 個人再生の直前に借り入れするのは厳禁
- クレジットカードで公共料金を引きとしている場合
- ETCカードが使えなくなる可能性がある
- 家族カードがが利用できなくて妻に借金がバレるかも
個人再生の直前に借り入れするのは厳禁
クレジットカードによる借金を含めて、個人再生直前に新規の借り入れをすると、借金返済するつもりがなく、初めから減額を見越して借り入れしたのではないかということになり、問題になる可能性があります。
特に既に弁護士手続きを委任して債権者への返済をストップしているような状況で借り入れをしたら非常にマズイと思います。
具体的には弁護士への委任後の新規の借り入れの場合には、原則として不法な借り入れになってしまうので、個人再生による減額ができないと思ったほうがいいです。
クレジットカードで公共料金を引きとしている場合
クレジットカードで公共料金などを引き落としている人も多いと思いますが、個人再生でクレジットカードが利用できなくなると、当然ですが公共料金が引き落とされなくなってしまいます。
公共料金の引き落としを忘れたままでクレジットカードを個人再生してしまうと、そのまま公共料金を滞納することになるので、事前に支払い方法を変更したり、引き落とし口座を変更する必要があります。
ETCカードが使えなくなる可能性がある
当然ですが、クレジットカードに紐づいているETCカードを利用している場合も、クレジットカードを個人再生してしまった場合には利用できなくなってしまうので注意が必要です。
個人再生したことを忘れていて、急に利用できなくなるとパニックになったりします。意外と見落とす人が多いので、事前に準備しておきましょう。
家族カードがが利用できなくて妻に借金がバレるかも
クレジットカードで家族カードを発行しているような状況だと、クレジットカードを個人再生することによって、家族カードも利用できなくなってしまうので、妻など家族に個人再生したことがバレる可能性があります。
家族に知られずに個人再生したいと思う方は結構多いですが、手続きする弁護士や司法書士が連絡方法に配慮してくれたとしても、突然家族カードが利用できなくなると、そこから個人再生したことがバレる可能性があります。
そのため事前に何か言い訳を考えるか、素直に個人再生することを伝えたほうがいいです。
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個人再生後いつからクレジットカードの取得が可能?
信用情報機関別のブラックリスト登録期間 | |
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信用情報機関 | ブラックリスト登録年数 |
CIC | 5年 |
JICC | 5年 |
全銀協(KSC) | 10年 |
クレジットカードを個人再生すると、信用情報機関のブラックリストに登録されている期間は新たにクレジットカードの取得は難しいです。
そこで簡単に信用情報機関別にブラックリストに登録される年数をまとめてみました。
基本的には個人再生で信用情報機関のブラックリストに掲載されるのは5年くらいだと思っておくといいです。KSCに関しては銀行系の信用情報機関なので、他の信用情報機関よりも掲載期間が厳しくなっています。
ただクレジットカードの場合はCICかJICCを信用機関として利用しているところが多いので、5年くらい経過すればクレジットカードの取得が可能だと思っておくといいです。
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まとめ
クレジットカードはキャッシングの場合でもショッピングローンの場合でも借金を個人再生によって減額することが可能なので、クレジットカードによる借金で困っているなら個人再生の利用は十分に候補になると思います。
特にクレジットカードを含めて他の色々な借金があって、借金額が比較的大きい人には特におすすめの債務整理方法だと思います。
ただ個人再生は手続きが非常に複雑で、再生計画案が債権者に承認されないと手続きが先に進まないので、できるだけ個人再生の経験が豊富な弁護士に手続きを依頼するといいです。
個人再生の経験が豊富な弁護士なら、クレジットカードの借金の個人再生にについても数多くの事例を扱っているので相談するだけでもためになります。
下記で都道府県別に個人再生におすすめな弁護士事務所をまとめているのでよかったら参考にしてください。