個人再生をする場合に、税金の負担が重すぎて借金が払えないという方も少なくないと思います。
税金は毎月のように発生するものなので、何となく返済を後回しにしがちになる方も多いので、借金返済できない状況に追い込まれてしまった方の多くは税金も滞納しているというケースは多いです。
個人再生は裁判所で手続きを行う債務整理方法で、最大で借金が10分の1まで減額することができるので、借金額が大きい方にも利用することができる債務整理方法として、利用する方は多いです。
ただ結論を言ってしまうと税金は個人再生で減額することはできないです。
個人再生に限ったことではなく、自己破産や任意整理などの他の債務整理方法でも滞納した税金は減額することができないです。そのため滞納した税金は地道に返済していくことが求められます。
こういった債務整理でも減額することができない借金は他の消費者金融などの一般の借金よりも優先して返済していくことが借金返済の負担を減らしていくポイントだという事を知っておきましょう。
税金滞納を続けると資産を差し押さえられる
税金とはいっても色々ありますが、おそらく滞納の多い税金は、毎月のように発生する国民健康保険や国民年金あたりが多いのではないかと思います。また意外と負担の大きい住民税も税金の滞納として多かったりします。
こういった税金のの滞納でも強制執行による資産や給料の差し押さえがされてしまったりします。
消費者金融から借金したり、クレジットカードで借金が返済できなくなってしまって滞納を続けた場合でも、強制執行による差し押さえをされますが、こういった民間からの借金による差し押さえは裁判所での訴訟手続きを踏んでから実行されます。
しかし税金を滞納したことによる強制執行の差し押さえの場合には、行政の円滑な手続きのために裁判などを行わずに、独自の手続きで強制執行による差し押さえを行える権利があります。
民間の借金なら金融業者からの督促や裁判所からの通知を経てから差し押さえされるので、実際に差し押さえになるまでに3、4カ月以上くらいはかかると言われていますが、税金の場合だと、滞納があった日から50日に以内に督促状が発送されて、その督促状から10日以内に借金が返済されない場合には差し押さえが可能になります。
こうして見ると税金滞納の場合だと、普通の借金と比べて簡単に預貯金や給料が差し押さえられてしまう可能性があるということになるので、税金の督促状が来たら非常にマズイと思ったほうがいいです。
個人再生で税金滞納による差し押さえはストップできない?
普通の民間の借金の場合だと、個人再生を利用することによって強制執行による差し押さえをストップすることができるのですが、税金滞納の場合だと個人再生を利用しても差し押さえをストップすることはできないです。
個人再生は全ての借金が対象になる手続き方法なので、強制執行で差し押さえをすると一部の借金だけが優先して返済されることになるということもあり、差し押さえをストップすることができるのですが、そもそも税金に関しては他の借金よりも優先して徴収されるということが法律で決まっています。
(国税優先の原則)
第八条 国税は、納税者の総財産について、この章に別段の定がある場合を除き、すべての公課その他の債権に先だつて徴収する。
そもそも税金の強制執行による差し押さえは裁判所での手続きとは関係なく行うことができるので、裁判所で手続きを行う個人再生や自己破産では強制執行をストップすることはできないということです。
税金に関しては独自に国が強制執行することができる権利があるので、どこも止めることはできないということになります。それだけ税金の徴収は優先的に行われるということになります。
税金を滞納すると個人再生手続きが失敗する?
個人再生を利用する場合に手続の中で再生計画案を認可してもらうという項目があるのですが、税金を滞納している状況だと再生計画案が認可されにくくなってしまって個人再生手続きが失敗する可能性があります。
税金滞納があると必ず個人再生できないというわけではないですが、滞納している税金がある場合には、その税金が優先して返済されていくことになるので、個人再生で決めた再生計画案通りに返済が難しいのではないかということで、認可されない可能性があります。
実際に個人再生するくらい借金で追い詰められているようなケースだと、すでに預貯金や給料が差し押さえられているケースが多く、給料は4分の1まで差し押さえられることになるので、そういった状況で個人再生で残った借金が完済できるのか疑問に思われるのは当然だと思います。
そのため個人再生で認可を得るには、税金を支払っても再生計画案通りに支障なく返済することができることを証明する必要があります。そういった意味では再生計画案を作る弁護士の手腕は非常に重要になってきます。
ちなみに、当然ですが滞納している税金額が大きいとそれだけ負担が大きくなるので個人再生が失敗する可能性が高くなります。
滞納した税金を返済する方法とは
滞納した税金は個人再生はもちろんですが、自己破産でも返済負担を減額することはできないので、基本的には自力で借金を返済していくしか方法がないです。
ただ簡単に税金を支払えるなら個人再生などの債務整理手続きはしないと思うので、少しでも返済負担を軽くする方法を探していくことが大事になってきます。
税金に関しては弁護士事務所や司法書士事務所に相談しても対処することはできないので、市役所や税務署に行って支払い方法などについて相談することになります。
分納協議で返済負担を軽くする
税金に関しては基本的には一括返済を求められますが、借金返済で困っているような状況では一括返済は難しいと思うので、税金を分割払いするために「分納協議」をするといいと思います。
こういた分納協議などは、個人再生で認可を得るためにも重要なことなので、しっかりと税務署などで協議をして、どのように返済していくのかあらかじめ決めておくことは重要です。
個人再生を検討しているなら分納協議についても、あらかじめ弁護士などと相談しておくといいかもしれないです。
免除や猶予制度を利用する
国民健康保険や国民年金に関しては保険料の免除制度や猶予制度があるので、こういった公的に利用することができる制度を利用することが大事だと思います。
前年の所得が失業などによって少なくなっていて、経済的に保険料や年金の支払いが困難な場合には、市役所などに申請することで一部免除を受けることができたり、場合によっては全額免除を受けることができたりします。
また合わせて猶予制度の利用なども検討するといいと思います。
税金の支払いに関しては放置するのではなく、しっかりと税務署や市役所などに相談して、少しでも返済していくという姿勢を見せることが重要になってきます。
まとめ
滞納した税金は個人再生で返済負担を軽くすることができないだけでなく、税金の滞納があると、個人再生後の借金返済に支障をきたす可能性があると思われてしまい、再生計画案が認可される、個人再生手続きが失敗してしまう可能性があります。
そのため滞納している税金がある場合には、個人再生までに市役所や税務署などに相談して分割払いで払っていくという事をあらかじめ相談しておいて、個人再生後の借金返済に支障が出ないことを証明していく必要があります。
税金は個人再生で減らすことはできないので自分で返済していくことになりますが、個人再生で他の借金の返済負担が軽くなれば、その分だけ税金の支払いに回せるお金も増えるので返済がはかどることになります。
ただ税金の滞納がある場合には手続きが失敗する可能性があることから、できるだけ個人再生の経験が豊富な弁護士に手続きを依頼することが重要になってきます。
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